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労務管理事務所とは
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2008年10月7日  労務管理とは
2008年10月9日  労務管理基礎知識

2008年10月7日 労務管理事務所とは


 労働・社会保険の加入は、労働基準監督署・公共職業安定所・社会保険事務所で行いますが、事務的には煩雑で企業にとっては、大きな負担となっています。この事務を代理する事が労務管理事務所の仕事です。


 労働保険の年度更新(毎年3月末締め・5月20日までに労働基準監督署へ提出)。

 社会保険の算定基礎届・(毎年4・5・6月の給与で計算・7月末までに社会保険事務所へ提出)。


2008年10月9日 労務管理基礎知識

きれいな花でですよね!まるで鳥見たい。
 このページでは、労務管理の意外な基礎を記していこうと思います。
 労務管理 基礎編 

 第1章 賃金
 賃金は労働の対償として支払われるもの

 労働基準法第11条では「賃金とは、賃金、給料、手当、賞与その他名称の如何を問わず、労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのものをいう」と定義されています。
 賃金とみなされるための要件は「労働の対価」として「使用者が労働者」に支払うことです。したがって、建設業の仕事を請負い″という形式で行っている場合でも、事業場に使用され、使用者から指揮命令を受けて働いていれば、労働の対価として支払われる報酬は、賃金とみなそれます。

 1 賃金の支払いには5つの原則がある
 賃金の支払いには、次ぎのような5つの原則があります。賃金が確実に労働者の手元に渡るようにするためです。賃金の支払いがこの中の1つにでも違反していれば、労働基準法違反になります。

 通貨払いの原則
 賃金は通貨(現金)で支払わなければなりません。小切手や現物で支払うことは労働協約に定めがある場合を除き禁止されています。ただし、労働者の同意を得て、労働者が指定した金融機関の労働者名義の口座に振り込むことができます。
 ポイント 銀行口座等への振込み
 使用者は、労働者の同意を得た場合には、賃金を労働者の指定する銀行その他の金融機関の労働者名義の預金または貯金に振込むことができる。振込みするための要件は「@本人の同意を得ること、A本人名義の口座であること、B賃金支払日までに払出しできること、C賃金明細書を交付すること」となっている。

 直接払いの原則
 賃金は労働者本人に支払わなければなりません。労働者の親権者、債権譲渡人など第三者たる代理人に支払うことは違法です。

 ポイント 使者への支払い
 本人の支配下にあると認められる妻や子が、本人の印鑑を持参し、本人名義で受領した場合には、使者への支払と認め適法とされる。

 全額払いの原則
 賃金はその全額を支払わなければなりません。ただし、法令により控除が認められている「給与所得の源泉徴収税、労働保険料、その他労働者との書面による協定に基づいて控除する場合」を除きます。

 ポイント 相殺の禁止
 労働者の債務不履行を理由とした損害賠償権の行使として、労働者の賃金から相殺することはできない。賃金の前借金との相殺も禁止される。

 毎月払いの原則
 賃金は、毎月1日から月末までの間に少なくとも1回以上支払わなければなりません。月に1回以上であれば何回に分けて支払っても差支えありません。

 ポイント 臨時に支払われる賃金
 臨時に支払われる賃金、賞与、1カ月を超える期間を超えて支払われる精勤手当、能率手当などは毎月払いの原則″から除外される。

 一定期日払いの原則
 賃金は、毎月周期的に到来する特定の期日に支払わなければなりません。毎月の支払日が特定されていない場合や、月ごとに支払日が変更されるような支払方法は違法です。

 ポイント 非常時払い
 労働者が、出産、疾病、災害、その他非常の場合(配偶者の出産、疾病、結婚、など)の費用に充てるため請求した場合には、支払期日前であっても既往の労働に対する賃金を支払わなければならない。

 2 労働者を最低賃金未満で働かせることはできない。
 
 日給や時間給で働く労働者の生活の安定を図ることを目的として、最低賃金法に基づき最低賃金制度が定められています。最低賃金は原則として、すべての労働者に適用されますが、例外として労働基準局長の許可を受けた場合に限り、精神または身体の障害により、著しく労働能力が低い労働者等については適用を除外することができます。
 最低賃金の基本は、都道府県ごとに定められた地域別最低賃金制度で、毎年地域の経済動向や労働指標をもとに引き上げられ、時間当たりの単価が設定されています。最低賃金の発行日は、毎年10月1日とする都道府県がほとんどで、使用者は、この都道府県が定めた最低賃金以上の賃金を労働者に支払わなければなりません。
 最低賃金に満たない額の賃金の定めは無効となり、無効となった部分は最低賃金額が適用されます。

 ポイント1
 最低賃金の対象から除かれるもの

 @ 臨時に支払われる賃金(結婚手当など)
 A 1か月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与)
 B 割増賃金(時間外手当、休日出勤手当、深夜勤務手当)
 C 精皆勤手当
 D 通勤手当
 E 家族手当

 ポイント2
 最低賃金以上になっているかを調べる

 実際に支払われる最低賃金額以上となっているかどうかを調べるには、臨時に支払われる賃金などの除外賃金を差し引いた後の賃金額を時間額に換算して、適用される最低賃金時間額と比較します。
 時間給制の場合…時間給≧最低賃金に時間額
 日給制の場合…日給÷1日の所定労働時間=時間額換算□最低賃金の時間額
 月給制の場合…月給÷1月の平均所定労働時間=時間額換算□最低賃金の時間額

   自宅の庭で一枚!
 中秋の名月とでも言いましょうか。
秋の夕空。こんな景色を見ながら物思いにふけるのも良いものです。
 3 出来高払いや請負給でも一定額の保障をしなければならない

 労働基準法第27条では、「出来高払制その他の請負制で使用する労働者については、使用者は、労働時間に応じて一定額の賃金の保障をしなければならない」と定めています。この場合の請負制とは、いわゆる請負業者ではなく、あくまでも、"請負制で働く労働者"に対する出来高払いや請負給の保障について定めたものです。
 出来高払制や請負制の保障給は、労働者が労働契約に基づいて働いた以上、たとえ材料が不足し、出来高が労働者の責任によらない何らかの事情で低下した場合であっても、労働した時間に応じて一定額の賃金を保障しなければなりません。ただし、労働者自身の都合で働かなかった場合は、使用者はその分については賃金を支払う必要はありません。
 保障給の額については、最低賃金法に抵触してはならないという制限はありますが、それ以上の数字的な基準は決められていません。ただし、行政指導上、「常に通常の実収賃金とあまりへだたらない程度の収入が保障されるように保障給の額を定めるべきもの」とされており、すくなくともその額は平均賃金のおおむね60%程度以上という目安があります。
 なお、月給制などの固定給が併用されている場合は、全体としての賃金額が通常の実収賃金をあまり下回らない程度に保障給を定めれば、たとえ保障給の部分が少額であっても法の主旨に反しないとされています。

 ポイント
 出来高払制賃金

 労働契約を締結するに当たって、出来高払制を採用することは労基法によって認められているが、出来高払制賃金を採用しても、その契約は請負契約に該当することにならない。それは出来高払制の賃金を定めても、労働者と使用者が経済的に対等の関係にはならないからである。
 また、労働契約において、出来高払制を採用する場合においても、使用者は労働者の出来高が不十分な場合の保障給を定める義務がある。

 4 賃金台帳は事業場ごとに作成しなければならない

 使用者は、事業の種類や規模に関係なく常時使用する者の賃金台帳を、事業場ごとに作成しなければなりません。その際、労働者名簿と賃金台帳を合わせて作成しても差し支えありません
 賃金台帳を作成しなければならない「事業場」とは、基本的には労働基準法が適用される事業場で、労働者が使用され同種の業務が一定の目的をもって反覆的に行われる場所をいいます。出張所や現場事務所などで独立性のない小規模なものは、直近で上位の支店・営業所などがこれに該当します。ただし、本社で企業全体の労働者の賃金台帳を一本化して作成することは違法です。支店や営業所ごとにそれぞれ所属する労働者の賃金台帳(写しでも良い)を作成しておかなければなりません。
 賃金台帳を作成しなければならない労働者は、常時使用される労働者はもちろん、労働者名簿の作成が免除されている日雇い労働者についても除外されません。ただし、これらの者については、記入様式や記入すべき事項については簡素化されています。

 賃金台帳は3年間保管しなければならない

 使用者は、賃金台帳を3年間保管しなければなりません。使用者が事業の廃止、譲渡その他の労働基準法の適用を受けなくなった後でも、所定の期間は保存する義務があります。なお、賃金台帳を保存すべき期間の計算の起算日は、「労働者名簿については労働者の死亡、退職または解雇の日」、賃金台帳については最後の記入をした日」となっています。

 ポイント
 賃金台帳への記載事項

 1、労働者の氏名
 2、性別
 3、給料の計算期間
 4、労働日数
 5、労働時間数
 6、延長労働時間数・休日労働時間数・深夜労働時間数
 7、基本給、手当その他賃金の種類ごとにその額
 8、賃金を控除した場合にはその額

 秋真っ盛り! 紅葉のシーズンにはこんな景色がとても素敵ですね
   シリーズ  「薔薇」
 5労働者を法定労働時間外に働かせたら割増賃金を支払わなければならない

 使用者が、労働者に法定労働時間(1日8時間・1週40時間)を超えて働かせた場合、または休日、深夜労働をさせた場合は、その時間については通常の賃金より25%以上の率で計算した割増賃金を支払わなければなりません。
 割増賃金は、使用者が労働者に時間外労働、休日労働または深夜労働をさせた場合に法律上当然に支払わなければならない賃金であるため、たとえ使用者と労働者が合意の上で割増賃金を支払わない申し合わせをしても、その申し合わせは無効となります。

 時間外労働(早出・残業)の割増率は25%

 法定労働時間(1日8時間・1週40時間)を超えて労働者に時間外労働(早出・残業)をさせた場合は、使用者は、労働者に対して通常賃金の25%以上の割増率で計算した賃金を支払わなければなりません。

 深夜業の割増率は25%

 深夜業とは、原則として午後10時から午前5時までの時間帯における労働をいいますが、この時間帯については、労働の内容の如何を問わず、使用者は、労働者に対して通常賃金の25%以上の割増率で計算した賃金を支払わなければなりません。
 深夜業の割増賃金の支払い義務は、管理監督者、機密事務取扱者、監視・断続労働従事者(許可を受けた者)に対しても発生します。

 時間外労働が深夜業に及んだら割増率は50%

 通常の労働時間が法定労働時間(1日8時間)を超えて深夜労働に及んだ時は、時間外労働に対する割増手当の25%に加え、深夜業に対する割増手当の25%を加算して、合計50%の割増賃金を支払わなければなりません。

 ポイント
 法定内残業なら

 割増賃金を支払わなければならないのは、法定労働時間外の労働または法定休日に労働させた場合とされているため、法定内の労働時間、つまり、所定労働時間が8時間以内に設定されている場合の8時間を超えない時間内の残業の場合に割増賃金を支払うかどうかは、労使間の任意の取り決めによって決定すべきとされている。ただし、週の労働時間が法定労働時間(40時間)を超える場合には、その超える部分については割増賃金を支払わなければならない。

 6 管理・監督者には割増賃金を支払わなくても良い

 労働基準法第41条により、時間外労働の法規則が適用されない許可を受けた管理・監督者、機密の事務を取り扱う者、監視または断続的労働に従事する者については、法定労働時間を超えて労働させても、時間外労働に対する割増賃金を支払うことは規定されていません。
 ただし、これらの者に法定労働時間を超えて労働させても、賃金の支払いを必要としないということではなく、法定の割増賃金の支払い義務はありませんが、時間外労働に対する相応の賃金の支払いまでも免除したものではありません。

 深夜業の割増賃金は管理・監督者にも支払わなければならない

 管理者・監督者である労働者、機密の事務を取り扱う労働者または許可を受けた監視・断続労働に従事する労働者については、法定労働時間を超えて労働させても時間外労働という法律概念が生じないため、早出、残業、休日労働に対する法定の割増賃金を支払うことは法律上強制されませんが、深夜業についての割増賃金は支払わなければなりません。

 ポイント
 用語意味

 □管理・監督者とは、一般に部長、工場長など労働条件の決定その他労務管理について経営者と一体的な立場にある者をいい具体的な判断に当たっては、個々の管理者の労働の態様により判断されるべきものである。
 □機密の事務を取り扱う者とは、秘書その他職務が、経営者または監督もしくは管理の地位にある者の活動と一体であって、厳格な労働時間管理になじまない者であること。
 □監視・断続的労働とは、原則として一定部署にあって監視するのを本来の業務とし、常態として身体または精神的緊張の少ないものであること。

 

   シリーズ 「薔薇」
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 7 労働者を休日に働かせたら割増賃金を支払わなければならない

 労働者を法定休日(1週1日または4週4日)に労働者を働かせた時は、3割5分(35%)以上の割増賃金を支払わなければなりません。割増賃金の支払いが義務づけられるのは、"法定休日"とされているため、週休2日制を採用している企業は、本来の休日(通常は日曜日)に労働した場合に限り、割増賃金を支払えば良いことになります。
 ただし、法定休日以外の休日(土曜日・祝祭日・会社の創立記念日など)の労働により、週の労働時間が40時間を超えた場合は、その超えた分の労働に対しては割増賃金を支払わなければなりません。

 休日労働が時間外労働と重なっても割増率は35%

 前日の休日労働が、法定労働時間を超えた場合であっても、割増率は35%のままで良いことになっています。

 休日労働と深夜業が重なったら割増率は60%

 前述の休日労働と深夜労働が重なった場合には、60%以上の割増賃金を支払わなければなりません。

 ポイント
 時間外・休日労働と割増賃金

 ◇時間外労働と割増賃金(残業手当)
 1、法定労働時間(1日8時間、1週40時間)を超える時間外労働 25%
 2、時間外労働が深夜業(午後10時から午前5時)に及んだ時   50%
 ◇深夜業と割増賃金
 深夜業                        25%
 ◇休日と割増賃金
 1、休日労働させた場合             35%
 2、休日労働と時間外労働に至った場合   35%
 3、休日労働と深夜業が重なった場合     60%

 8 割増賃金の定額払いも有効

 時間外労働(残業)、休日、深夜業の割増賃金を実際に労働した時間数に応じて支払うのではなく、これらの超過労働時間の如何にかかわらず、一定額を支払うことを「割増賃金の定額払い」、あるいは「固定残業手当制」と呼ばれています。
 割増賃金の定額払いが必要になる背景に、「超過労働の時間数がほぼ一定していること」、「超過労働時間の総量が把握できるため計算の労を省くこと」、「超過労働時間の把握が困難なこと」などの理由があります。このような割増賃金の定額払いが労働基準法に違反しないと認められるためには、その定額の支払額が実際の超過労働に対して、支払うべき割増賃金と同額以上であること、または超過労働時間数が把握できない場合とされています。したがって、その支払うべき一定額が、明らかに実際の超過労働に対する割増賃金額より少ない場合や、管理職手当の性格のみを有しているような場合は、労働基準法違反となります。

 導入にあたっては明確な基準を定めておくこと

 労働者の採用に当たって賃金を決定する際に、月額給料の中に「○○時間分の時間外割増賃金を含む」旨の契約をすることができます。ただし、この場合には、通常の労働時間の賃金に相当する部分と時間外の割増賃金に相当する部分が明確に判別できるものでなければなりません。支払った賃金の中で、通常の賃金と割増賃金との区別ができないような場合には、割増賃金を支払っているとは認められないのが通例です。
 また、実際に働いた時間外労働が、取り決めした労働時間を上回る場合は、その差額について割増賃金を別途支払わなければなりません。
 このように、割増賃金の定額払いには多くの制約があり、また割増賃金の支払いをめぐるトラブルも多く発生しているため、導入にあたっては、労使共に十分な理解が必要でしょう。

   シリーズ 「薔薇」
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 9 割増賃金を支払わなかった場合の法的制裁

 使用者が、労働者に割増賃金の全部または一部を支払わなかった場合には、労働基準法(第119条)の定めにより、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金が使用者に科せられます。
 また、使用者が割増賃金を支払わなかった場合においては、裁判所は労働者の請求により、その不払いとなった割増賃金と同額の附加金の支払を使用者に命ずることができることになっています(労働基準法第114条)。

 労働基準監督官の権限

 労働基準監督署は、事業場、寄宿舎、その他の付属建設物を臨検し、帳簿書類の提出や、使用者または労働者に対して必要な事項を報告させ尋問を行うことができます。
 また、労働基準監督官は、労働基準法違反の罪について、刑事訴訟法に規定する司法警察官の職務を行うことができます。このため、賃金不払いに対しても次のような措置が行われます。
 悪質な違反には送検もある!

 是正勧告や指導に対して、指定された期日までに改善せず、または何らかの対応も行わずにこれを無視しそのまま放置した場合、適正な労働時間の管理を行っている旨の虚偽の報告書を提出した場合、出退勤時刻の記録を改ざんした場合―――など、その手口が悪質と認められた場合には、事業場に対する臨検や警告文の交付が行われ、検察庁に書類送検されるケースもあります。
 また、長時間労働によって労働者が死亡し、それが"過労死"と認定された場合には、遺族等関係者から損害賠償を請求されることもあります。

 ポイント
 申告した労働者に対する不利益な取り扱い禁止

 労働者は会社の不正行為または法律違反の事実について、労働基準監督官、行政官庁に申告することができます。
 使用者、この申告を理由として、労働者を解雇、降格、減給その他の不利益な取扱いをすることはできません。申告したことを理由として行われる解雇や不利益な取扱い、または派遣労働者に対する派遣契約の解除などは無効になります。

 10 労働者からの申告があれば労働基準監督署の調査が入る
 労働基準監督署が、企業に対して調査を行うのは、通常の定期業務として行われる指導・監督ほか、労働者から投書や情報(通報)が寄せられた場合に、その事実を確認するために、来所依頼(出頭)などの書面により呼び出しが行われます。
   シリーズ 「薔薇」
呼び出し状(例)
是正勧告書(例)
 
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